ドライマウス最新事情

お口の乾燥、唾液不足でお悩みの方へ

唾液が出ず、お口が乾く現代病、ドライマウス(口腔乾燥症)。
その症状でお悩みの方は、増加の一途をたどっていますが、
ドライマウスに対する研究は、近年、始められたばかりです。
ここではドライマウスに関する様々な情報を、ご紹介致します。

日常生活で心がけること

口腔乾燥の方が、日常生活において心がけることとしては、規則正しい生活、十分な睡眠、適度な運動などが、あげられます。
また、精神的な緊張感は、交感神経を刺激して、唾液の分泌が抑制される原因に。
唾液不足の解消には、できるだけ穏やかでリラックスした生活を送りたいものです。

唾液分泌の仕組み

唾液は、唾液腺という組織でつくられています。唾液腺には、3つの大唾液腺(耳下腺・顎下腺・舌下腺)と、多数の小唾液腺があります。
唾液腺でつくられた唾液は、舌の下の根本の方にある小さな穴から出ています。
余談になりますが、おたふく風邪は、大唾液腺である耳下腺が、ウイルスによって炎症を起こす病気です。
実は、唾液の性質は、つくられる腺組織によって異なっています。耳下腺でつくられる唾液は粘り気がなく、さらさらしていますが、他の腺組織は粘液腺で、粘りのある液を分泌します。
平均的な唾液の分泌量は、一日あたりおよそ、1〜1.5リットルと言われています。
唾液腺は、交感神経と副交感神経に支配されています。
そのため、交感神経と副交感神経を司る自律神経と唾液の分泌には、とても深い関わりがあります。

の関係

自律神経とは、唾液腺の他に、血管、内臓など、自分の意志と関わり無く働く組織に分布している神経系で、循環、消化、呼吸、代謝といった生命活動に必要な働きを調節しています。
例えば、暑い所では自然と汗をかいて体温を下げるなど、自分の意志に関わらず、様々な刺激に対応しながら身体をコントロールしていくのが自律神経です。
自律神経は、交感神経と副交感神経の2つから、成り立っています。
交感神経は主に緊張・興奮状態の時に働き、副交感神経は平常時・心身共にリラックスしている時に働く神経系です。
唾液の分泌を促進するのは、副交感神経になります。
自律神経が、ストレスに等よってバランスを崩してしまうと、不眠、頭痛、便秘、肩こり、耳鳴りなど、様々な症状があらわれます。
そして、バランスを失った自立神経の影響が唾液腺に及ぶと、唾液分泌が抑制されてしまう場合があります。
悩み事やイライラなど、心身の緊張状態が続くと、交感神経優位の状態になり、それに伴い唾液を分泌させる働きのある、副交感神経機能が低下してきます。
緊張した時に、お口の中がカラカラに乾くのも、そのためです。
また、自律神経の働きをコントロールしている中枢は脳の視床下部という所ですが、ここは同時にホルモン分泌の中枢という役目もあるため、自律神経のバランスが崩れるとホルモン分泌にも影響がでてきます。
ドライマウスの治療に、唾液腺ホルモン(パロチン)が用いられる場合があるように、唾液の分泌はホルモンとも、関係しています。
人間の体は、およそ12時間交代で、交感神経と副交感神経が、それぞれ優位になると言われています。
夜更かしをして脳を休めることが出来ないと、交感神経が働き過ぎて副交感神経の働きが低下し、唾液分泌に悪影響が出る場合があります。

自律神経を整え、唾液分泌を促すには

自律神経のバランスを整えるには、いくつかの方法があります。

規則正しい生活
人間の体は、日中は体を動かすように、交感神経が優位になり、夜は体を休めるように、副交感神経が優位になります。
人間の体の、自然なリズムを無視して生活すると、自律神経のバランスを崩す場合があります。
適度な運動
適度な運動は、心身の緊張がほぐします。また、自律神経を刺激して、唾液分泌を促します。
ストレスの除去
ストレスによる神経的緊張は、交感神経を刺激し、自律神経のバランスを崩して、唾液不足の原因になる可能性が。
できるだけ、ゆとりのあるリラックスした生活を送るように、心がけて下さい。
習い事やスポーツなど、毎日を楽しめる趣味を持つことは、ストレスの解消に役立ちます。

ドライマウスの原因と対処法

口腔乾燥と自律神経、ストレスには密接な関係がありますが、ドライマウスには他にも様々な原因があります。
これまで、日常生活における一般的な対処法を取り上げてきましたが、口腔乾燥の原因によっても、効果に違いがあります。
そのため、これら一般的な対処法のほかに、それぞれの原因にあった治療、対処を行うことが、大切になります。
次号からは、ドライマウスの原因や治療法について、お届け致します。

※お口の乾燥がひどくて、我慢できない場合には、専門医にご相談下さい。

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