唾液が出ず、お口が乾く現代病、ドライマウス(口腔乾燥症)。
その症状でお悩みの方は、増加の一途をたどっていますが、
ドライマウスに対する研究は、近年、始められたばかりです。
ここではドライマウスに関する様々な情報を、ご紹介致します。
ドライマウスとは、口腔乾燥症のことで、唾液の分泌が低下して、お口が乾いた状態のことをさします。
唾液が不足してドライマウスが進行すると、舌がひび割れる、モノを飲み込めない、歯が悪くなる、舌が痛くて眠れないなどの、つらい症状に、悩まされることになります。
広い意味での口腔乾燥症は、唾液分泌の低下だけでなく、口が乾いていると自覚する症状すべてをさすことになります。
お口が慢性的に乾くのは、想像以上に、不快なことです。
半日以上、水分を取れなくて、カラカラになったお口の状態を、ご想像下さい。
舌がからみ、喉までひっつくような感じがして、とても気持ちが悪いのではないでしょうか?
また、話そうとすると、粘ついた舌が口の中でひっかかり、くちゃっと音がすることもあります。
そのくちゃくちゃした音が気になり、人との会話を心から楽しめなくなっている方も、いらっしゃいます。
常にその様な状態で、生活を送ることは、精神衛生的にも、良いものではありません。
唾液不足が進行すると、不快なだけではなく、さまざまなつらい症状が現れてきます。
乾燥した舌やお口の粘膜は、ひりひりと常に痛み、さらに乾燥が進むと、舌や唇がひび割れて、ひどい場合には出血を伴います。
また、唾液による潤滑作用・保護作用が機能しなくなるため、口内炎や白斑などの炎症も、起こりやすくなりますし、舌の味を感じる部分が、痛んでしまうと、味覚が変わり、味がわからなくこともあります。
唾液不足で、ものが上手く飲み込めない。口の中が痛くて、ものを噛むことがでない。夜、舌の痛みで目が覚め、よく眠れない・・・。
たかが唾液が少ないだけ、と言ってしまうには、あまりにつらい思いをされている方が、数多くいらっしゃいます。
唾液というものは、「つば」などと呼ばれて、あまりいいイメージのものではありません。
しかし、お口の健康を守る上で、重要な役割を担っている、とても大切な存在なのです。
平均的な唾液の分泌量は、一日あたり約1〜1.5リットルで、口の中の唾液腺から絶えず湧き出し、口の中の食べかすを、消化器官へと、洗い流してくれています。
また唾液には、成分中に含まれるリゾチーム、ペルオキシダーゼ、ラクトフェリンなどによる抗菌作用があり、お口の雑菌の繁殖を防いでくれています。
そのため、唾液が不足して口が乾くと、虫歯や歯周病にかかりやすくなり、また、口臭の原因にもなってしまうのです。
当てはまる項目の数を、カウントして下さい。
- 気がつくと、口で呼吸している。
- 食べ物が飲み込みにくく、水が欠かせない。
- 歯磨きをしても、虫歯になりやすい。
- 口臭がある。もしくは、口臭が気になる。
- 味覚が変わった気がする。
- 口の中がねばねばする。
- 舌がからまって、話しにくいことがある。
- お酒やビールなど、アルコールをよく飲む。
- 耳の下が痛み、腫れることがある。
- 舌がひび割れる。口の中が痛む。
- 夜、喉が乾いて目が覚めることがある。
- 目や鼻など、口以外の粘膜も乾いている。
- 常用している薬がある。
- 関節が痛むときがある。
- 忙しくて、リラックスする余裕がない。
3つ以上当てはまった方・・・ドライマウスの可能性があります。
6つ以上当てはまった方・・・ドライマウス要注意信号です。
また、合計ポイントが低くても、設問 9・10・12・13・14に当てはまり、乾燥
の自覚症状がある方は、ドライマウスの可能性が、とても高いものになります。
チェックの結果はいかがでしたか?
ドライマウス、口腔乾燥の、目安のひとつとして、参考にしてみて下さい。
次号は、口腔乾燥が気になる時の日常の注意点について、お届け致します。
※お口の乾燥がひどくて、我慢できない場合には、専門医にご相談下さい。